ニホンジカの鹿革からつくる、がまくち財布
革の世界も奥が深いです。
わたしたちも洋服の世界に片足を沈めている者ではありますが、この機会をきっかけにあらためて色んな知識を教えていただきました。
先日よりお伝えしている11/28「わわわの市」にて行われるワークショップイベント。
最後のご紹介はSaguaの土井 景子さんです。
命を紡ぐ景子さんの鹿革はとても柔らかく、そして命を連想させるが如くとても色鮮やかです。
そんなSaguaさんならではの鹿革をつかったワークショップをこの度わわわの市にて行います。
以下より詳細です。
…
「宍粟鹿の革からつくる、がまくち財布づくり」
宍粟(しそう)という言葉は「播磨国風土記」いわく、鹿(シシ)が多いことを由来に宍禾の郡(しさわのこおり)となり、後に狩猟と農耕の土地を意味した、宍(肉)と粟(穀物)で宍粟という地名になったと言われています。
ここ宍粟は古代より鹿と縁深い関係にありました。
人は鹿を狩猟し、肉を食べ、角や皮は様々な加工をほどこし生活の道具に変えてきました。
鹿は同時に山で死ぬと様々な野生動物たちの食べ物になり、その野生動物たちはさらに自然の循環に寄与していく。
「人」は自然環境を破壊していくという印象を持つ人も多いかと思いますが、「人」が山に入ることで、森は整理され、増えすぎる鹿の繁殖数を減らす役割を担っていました。
それらのバランス調和した状態が「里山」とよばれる風景をつくっていたと言われています。
ところが現在では狩猟する人、山に入る人も減り、そのバランスが崩れてきました。
前置きが長くなりましたが、Saguaさんはそんな「増えすぎてしまったがために害獣としてみられ狩猟された」鹿の革をつかい、
“最後まで美しく”
の想いを胸に作品を作られています。
また、一般的な鹿革の鞣し(なめし)方法である「クロム鞣し」は、製造工程で使われる化学薬品からでる廃液が重大な自然環境の汚染に起因すると言われています。
Saguaさん自身、自分が関わる鹿革が決して環境を汚してはいけない…!という思いから素材探しを始めたそうですが、偶然のご縁から地球環境に無害の鞣し製法「ポルティラ鞣し」をされている鞣し屋さんに出会ったそうです。
現在では原皮元から鞣し屋さんまでを走り回り、ようやく
“宍粟のニホンジカから生まれた地球環境に無害の鹿革”
が誕生したと話されていました。
Saguaさん特有の色鮮やかな色彩も、全て天然の染料で染められた「ポルティラSaguaカラー」として鞣し屋さんとともに開発されたもの。
そんな様々な想いが込められた鹿革をつかい、皆さんには「がまくち財布」をつくっていただきます。
内容も非常に濃密なものになっています。
①デザイン(編み込みを入れるかどうか、タッセルをつけるかどうかなどなど)
②色の選定(鹿革、糸)
③裁断
④縫製
⑤仕上げ(付属付けなど)
となります。
まずはデザインと色の選定で随分と時間を取られそうです。
鹿革の色は5種類の中からお選びいただきます。
・紅色(レッド)
・蒲公英色(イエロー)
・露草色(ブルー)
・翠色(グリーン)
・夜空色(ブラック)
デザインは、切り込みを入れた後に編み込みを入れる「メッシュタイプ」と、
なにもしない「プレーンタイプ」に分かれます。
「メッシュタイプ」の方は単色で編むか、配色の場合はさらに色の選定に悩むことになるかと思います。
ちなみにこのメッシュの幅もある程度ご自身で決められます。まさに悩みの渦…
糸色も悩ましいところ。
Saguaさんと当日相談しながらになりますが、使う鹿革の量(メッシュを入れるかどうかなど)によってはタッセルやブローチを追加したりすることもできます。
全体のデザインや配色ができれば裁断へ。
ナイフをつかったりハサミをつかったりと柔らかい素材である鹿革の裁断は想像よりも難しく感じるはず。
苦労して裁断したものを縫製していきますが、最後の難関は「がまくち」部分。
穴を開け、手で鹿革と口金を縫い合わせようやくできた「がまくち財布」はきっと一生ものの財布になるはずです。
カバンや大きめのポケットに入れたり、紐(別売)をつければ首や肩から吊り下げることもできます。
使い続けることで艶としなやかさが強くなります。
色の褪色もあまり感じられません。
肌に触れても安心な素材。一生どころではなく次の世代にまで受け継ぐことのできる「がまくち財布」になるかと思います。
自分の代で途切れても、口金以外は土に還るという潔さも持ち合わせています。
3時間という長時間のワークショップになりますが、(延長する可能性もございます。お時間に余裕を持ってご参加ください。)途中休憩を加えながら…景子さんとお話をしながら充実した時間を過ごしていただけたらと思います。
そして完成したがまくちを見るたびに、宍粟のニホンジカの実情にも興味を抱いていただけたら幸いです。
■日時
11/28(日)わわわの市
①10:00 - 13:00(途中小休憩あり)
定員4名
※延長する可能性もございます。お時間に余裕を持ってご参加ください。
■場所
サササ(旧繁盛幼稚園)
〒671-4105
兵庫県宍粟市一宮町上岸田576
■参加費
¥15,000
■もちもの
特になし
(汚れても良い服装でお越しください。)
■お申し込み
サササのメールアドレス(info@sasasashiso.com)宛に
・ワークショップ名
・お名前
・参加人数
・参加希望時間
・当日連絡のつく電話番号
をご明記の上ご連絡ください。
※こちらからの返答後、お申し込み確定となります。
※返答がない場合、メールが届いていない場合があります。再度ご連絡ください。
※お問い合わせも上記メールアドレス宛にご連絡ください。
皆様のお申し込みお待ちしております。
作家プロフィール
土井 景子(Sagua)
宍粟のニホンジカを「最後まで、美しく」をコンセプトに鹿革を使った鞄やアクセサリーを製作。
鞣し屋さんと開発したその鹿革の色彩は天然染料のみとは思えないほど非常に鮮やか。
鹿革という素材通じ、宍粟全体の未来まで見据えたとっても明るく気さくなお姉さんです。
Instagram : @yoooshokuten__sagua__
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