夏のサ会の振り返り(手作りウーロン茶|よくある質問まとめ)
- 3 日前
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梅雨があけ、待ってましたとセミが鳴きはじめました。
動物たちの季節を感じる能力はほんとうに鋭く、いつも驚きます。
一方で技術が進化し、衛星から見える情報を手にして尚、天気予報はあんまり当たりませんね。
皮膚感として五感で感じる能力があらゆる場面で問われているのかもしれません。
茶摘みから始まったこの夏のサ会。
お天気の日もあれば、小雨の降る日もあり、どちらも程よい発酵となりました。
だいたい同じ場所で茶を摘み、同じ時間茶葉に触れているのに、仕上がりはみなさん違う様子でしたね。
発酵という過程はとても繊細。なんだけど、こうじゃないといけないというものはなく、ゆるさがあって面白い。
小さめの茶葉でやさしく仕上げたもの、大きな茶葉でがしがし手を動かして仕上げたもの。
それぞれに風味の違うウーロン茶が仕上がりました。
会の終わりに作った梅干しは、初めて作るという方が多く、時間内に詳しく説明しきれなかった部分もありましたが、後日しっかり梅酢の上がった写真を見せて下さったり、土用干し上がりの写真を見せていただき、安堵しております。
後日、この後どうしたらいいですか??の質問もたくさんいただきました。
私はそれが結構嬉しいです。
当日完結の内容は、その時間が過ぎれば振り返りをしないまま、案外早く忘れてしまうもの。
もったいないなと思っていたので、こうなりました。とか、こういう場合はどうしたら・・・や、これは大丈夫なんでしょうか。という質問は、より詳しい話ができて、私自身良い経験となりました。
せっかくなので、多かった質問や、その対処法についてこちらでまとめてみたいと思います。
手作りウーロン茶の発酵とは?茶葉の変化を知る

茶葉を摘み、幼稚園の廊下で日光萎凋をし、室内で竹ざるの上でやさしくかきまわす。
青臭い葉っぱの香りが、花のような甘い香りに変化する不思議。
実際に手を動かして分かる変化や、その力具合もしっかり体験していただけたのではないでしょうか。
化学的なことは参考図書の「お茶の科学」大森正司著 から引用し、ご紹介しました。
小さな文庫本に収まりきらない内容の濃さ。お茶に興味があるなら、必読のおすすめ本です。

本の内容を抜粋すると、茶葉の発酵には大きく2段階の発酵プロセスがあります。
1段階目は茶葉を摘んでから進む、茶葉のもつ酵素による発酵。
2段階目はその酵素を熱で失活させた後で起こる、酸化発酵。
青茶と呼ばれるお茶は、摘んでからできるだけ早く熱を加えて酵素による発酵を止めたもの。
私たちに馴染みの深い青茶といえば、緑茶や番茶でしょうか。
今回つくったウーロン茶は半発酵茶と呼ばれる、どちらの発酵もほどよくさせたお茶。発酵度合いはまちまちで、30~70%ともいわれています。なんて奥行のあるお茶!だからこそ、毎回違って面白いんですね。
紅茶は完全発酵茶で、約1日かけて茶葉を完全に赤く反応させてから熱をかけて仕上げるお茶のこと。家庭でするやり方としては、オーブンやホットプレートで仕上げる方法があります。

日曜日にご参加の皆さんは、良い曇り空のもと、一番スタンダートなやり方を体験していただきました。
30分程度廊下で茶葉を干し、その後、室内でやさしく傷をつけていく。
時間が経つにつれて、茶葉のまわりが紅く変色してくると、香りが甘く変化し始めました。
摘んだ茶葉の大きさや、手の加減によって、それぞれに違う香りを確かめあいました。
火曜日の会はあいにくの雨。天気予報では日曜日よりも日和になる予定だったのですが、山の天気は読めません。
本来、茶葉は摘んでから水に濡れると酵素の反応が悪くなり、風味に影響すると言われています。お茶農家さんが忙しくても早朝に朝露の残る茶葉を摘まない理由がまさにこの理由です。
実際、何度も茶摘みをする中で、水分はお茶の仕上がりを大きく左右するなと感じます。
ただ、手摘みで茶摘みをするとほとんどの場合は葉を傷つけずに摘むので、1段階目の発酵は比較的緩やかに起こると考えています。ほこりやクモの巣、小さな虫の混入もあるので、私たちが作るお茶は、茶摘みの時間を長くて1時間、その後ざっと一度洗ってから布巾やタオルでできるだけ早く水気を切り、扇風機の風をあてて手早く乾かすようにしています。異物混入のリスクと製品化、でもしっかりおいしいお茶にしたいと試行錯誤の末、行き着いた私たちなりの答えです。
火曜日の皆さんは、私たちの数年分の試行錯誤をたった一日で体感したことになります!わぉ!!
日差しが少ない時は、室内ではなく廊下で茶葉をかき回しながら発酵を促します。

気温や天気、手の加減によって仕上がりはさまざまです。
十分に発酵した茶葉を釜炒りし、殺青(さっせい)した後、布でくるんで揉んでいきます。
はじめやさしく、茶葉に熱が入り、しんなりしたら、しっかりと揉んでいきます。
揉んではほぐし、揉んではほぐしを繰り返し、しっかりと茶葉に撚りがかかれば半分完成。
ここまではワークショップでやりましたね。
質問が多かったのは乾燥方法。
ザルがない、外に干せない、天気が良くない。
わかるわかる。私もはじめはそうでした。
ひとつづつ、対処していきましょう。
手作りウーロン茶の乾燥方法|ざるがない場合
茶葉は乾燥するとかなり小さくなるので、目の粗いメッシュ性のものや、臭いのある金属性のものは避ける方がいいです。一番のおすすめは竹ざるですが、ない場合は身近なもので代用できます。
薄い布の端をハンガーにかけて洗濯ばさみで固定します。反対側も同じようにして、布が宙に浮くようにして、その上に茶葉を並べます。手拭いやスカーフ、ハンカチなど、向こうが透けるくらいのものがいいです。それも難しい場合は平らな木製のお皿や、しわくちゃにした紙の上でも乾燥できます。
ただし、その場合は一日に何度かかき混ぜて、茶葉が接している部分も乾燥しやすいように工夫します。
外に干せない場合の乾燥方法
外出予定やお住まいの環境により、外に干しにくい場合もあります。
その場合は無理に外に出さなくても、室内の日の当たる場所であれば問題ありません。
床に置くより、少し高さのある所に置く方が良く乾きます。
雨の日でもできる茶葉の乾燥方法
曇り程度であれば問題なく乾きます。そのまま日当たりのいい場所に置いておいて大丈夫です。
雨の場合、茶葉は湿気を吸い込む性質があるため、乾燥しずらく、手をかけずにいるとカビてしまいます。
1日くらい置いておいても問題ありませんが、雨が長く続く場合や、旅行の予定などで早めに仕上げたい場合は、扇風機で弱い風をあてるのが一番いいです。裏技としては車のフロントガラスの際は意外と温度が高く、置いておくと、案外早く乾きます。(実はシイタケを置いている人もいるくらいです!)
茶摘みから長くても一週間以内には、しっかり乾燥させて仕上げましょう。
手作りウーロン茶の完成の目安
乾燥がしっかりできているかどうかは、茶葉を保存する上でとても重要なポイントです。
基本的に、茶葉の乾燥は水分量が5%前後が良いと言われています。(※熟成させるほど良質とされるプーアル茶や白茶は10%ほどの仕上がりで押さえ、空気に触れないように保管をして、緩やかに発酵・熟成をさせる方法もあります。)
手でぱきっと折れる程度の水分がちょうど良い水分量で、折ろうとしても折れなかったり、ふにゃっとする場合は乾燥不足。あと1日か2日様子を見ます。めったに起こりませんが逆に水分が飛びすぎるとかすかすになり、折った時にぽろぽろと崩れるようなもろさが出たりします。ちょうどいい具合は、手で触って確かめましょう。

自分で茶摘みから乾燥まで手をかけて育てた手作りウーロン茶。
おいしさの秘密は、その体験そのものだと言ってもいいでしょう。
私たちのまわりの元気な90代の皆さんは、みんなお茶づくり名人です。
移住してすぐの頃、うちの番茶飲んでみてと、少しづつ違う家の味を沢山いただきました。
話を聞くと、摘んですぐに加工する人もいれば、摘む日と加工する日が別の人、道具の違いや、摘む茶葉のサイズの好みも違う。番茶というお茶は、とても自由でそれぞれに味わい深く、なんとなくその家の味が受け継がれている。
お茶づくりが一年の手仕事に必ず入っていることにも感動したものです。
お茶を飲んでいるから健康、という簡単なからくりではなく、お茶づくりも保存食づくりも、糀やその素材から作ることが当たり前の暮らしがあって、その暮らしをしていると自ずと体はいつまでも元気で動き、毎日生きることが忙しい。食べることや暮らしが中心にある暮らしは、時間がいくらあっても足りません。でもそれも頑張りすぎずに、疲れたから明日にする。とか、眠いから昼寝してからやる、といった程よく力を抜いてやりすぎないことの大切さも元気の秘密だと感じています。
今年は日程的に2回しか募集できませんでしたが、茶摘みの要望は結構いただくので、来年は茶摘みだけの日を設けてもいいなと思案中です。
どっぷり一日茶葉を摘んで、加工して、自分の味を仕込む一日。そんな日があってもいいですね。
ひとまず今回は前半部分の振り返りをまとめてみました。
次回は、梅干しについてまとめていきたいと思います。





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